バルセロナ建築漫遊記・未来へ

バルセロナから未来への気ままな発信です。
ビルバオのグッゲンハイム美術館

これはフランク・ゲーリーのビルバオ グッケンハイム美術館である。開館してまもなくの98年に伊東豊雄さんとご一緒した。それまで、神戸のフィッシュダンス、バルセロナそごうの巨大な金魚のフォルムの日除けなどゲーリーの作品を見てきて、西海岸アメリカンポップ感覚のライトな建築を造る人と言うイメージであった。
外観はゲーリー独特のうねった曲面で彫刻的な造りであるが、鉄骨の構造体にアルミが表面に張ってあり、張りぼて建築に見える。しかし、この美術館の中に入った瞬間、今までの建築には味わったことのないようなスケール空間が広がっていた。巨大であるのに抜け殻でない空間。それが、移動するごとにそれぞれ違う密度でもって現れ、楽しいテーマパークのような感じ。それはどこから来ているのか考えると、モダンアートの作品ごとに綿密に計算された空間造りによっていることに気づいた。まさしくコンピューターシミュレーションにより作り出された仮想空間の建築化を行っているのである。あまりに明快な空間で今までのような建築的なディテールがないので、良くこれで雨の多いこのバスク地方で、雨漏りもなく建っているのが不思議なくらいですねと伊東さんと話したのを思い出す。
先日のワタリウムでの磯崎氏の話でも、新聞記者にこの美術館の感想を聞かれ、「ディテールのない建築」と答えたら、次の日に大きく新聞に載り、それを見たゲーリーが怒りまくって早速連絡してきて、その言い訳に苦労したと言うエピソードがあった。
今までの建築空間を越えてしまったグッケンハイム美術館体験は、、新しい形のモダンアートテーマパーク体験であった。
| U1 | フランク・ゲーリー | 02:31 | comments(0) | trackbacks(0) | -
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