2008.06.30 Monday
セクスウィなヌーベル −骨太・肉太・神経太の建築−
10年前、車でバルセロナからイギリスに行く途中、永年パリに住んでいる友人に案内してもらい、ジャン・ヌーベルのアラブ世界研究所を子連れファミリーズで見に行った。
カメラの絞りのように、太陽光を自動的にコントロールするハイテックな窓。この幾何学模様のパターンはイスラム建築のデザインに通じるところがある。 久しぶりにその空間性に感動したコンテンポラリー建築で、その時以来、ジャン・ヌーベルというフランスの建築家は気になる存在となった。 その後、バルセロナでもそのフォルムがセクスウィと話題となり、サグラダ・ファミリアを凌ぐランドマークとなったAGBARタワーを立上げ、今年、建築のノーベル賞と言われるプリッカー賞を受賞している。それで、今回『音楽のための建築』というテーマのシンポジウムが、100年前にドメネク・モンタネールによってデザインされユネスコの世界文化遺産にも登録されているカタルーニャ音楽堂(Palau de la Musica)で、この土曜日ヌーベルも参加し行われた。 真近で見るのは初めてであったが、彼の存在そのものがセクスウィで、その骨太、肉太、神経太から生み出されるこのフランス人の建築は、すべてが魅力的なものであり圧倒された。 今までコンテンポラリーな建築デザインには国境がないと思っていたが、今回ヌーベルを見て、その精神はとても日本人の肉体からは生み出せるものではないと納得させられた。 この肉体と精神にであるからこそ、セクスウィな魅力が宿り給うのである。 |