2008.10.10 Friday
わが街サンクガットで生れたミロのタピストリー
ミロのタピストリーの展覧会が、タラゴナの近代美術館で行われているので行ってきた。 7枚の巨大なタピストリーがロヨとのコラボレーションで制作された。そのほとんどが、タラゴナの街にある元製粉工場のアトリエ工房で作られたものであった。この街から世界のタピストリー工房が生れたのである。 一枚目と二枚目の作品の題名は、その街の名前タラゴナ(Tarragona)1と2とある。タピストリー作家のロヨは当時1970年、私の住んでいるサングガットの街にあった工房で制作していて、30歳代のまだ若いアーティストであった。そのロヨを見込んで巨匠ミロがタピストリーの作品に初めて取り組んだのである。そして、最初の作品タラゴナ1(下の写真)が実はわが街サンクガットの街で生み出されたことが今回の展覧会で知ることが出来た。 この最初の作品にはミロのサインだけでまだロヨの名前はない。この作品の成功をきっかけに、工房をタラゴナの元製粉工場に移すことになった。2作目以降の作品は、ミロとロヨのサインが上、下、並んで入っている。最初の作品では、ミロの絵をそのままタピストリーで織り込んだような作品であったが、回を重ねるごとに、普通に染め上げた糸、ファイバーだけでなく、いろいろな材料(その辺で拾ってきたような物とかこうもり傘など)を織込んだり、コラージュしたりと織の新しい試みがなされ、ミロとタピストリー作家ロヨとのアートの世界が体現されている。 この内の一枚がバルセロナのミロ美術館に展示されている。 その中でも1974年に3番目にワールドトレードセンターの為に織られたれた11Mx7Mのもっとも巨大なタピストリーは、あの2001年9月11日にニューヨークで燃えて無くなってしまったとあった。 丁度この日はカタルーニャにとって歴史的に重要な祭日にも当たる。 歴史は偶然ではなく、何かによって動かされ、様々のことが織り込まれたり、コラージュされたりして造られて行くように感じる。 |