バルセロナのメルセーの祭りに合わせウディ・アレンの最新作“Vichy Cristina Barcelona”が上映されたので、近くの映画館で観る。
印象はバルセロナ市が観光プローモーションとしてウディ・アレンにお金を払って映画を撮ってもらったような作品であった。スペインを代表する女優ペネロペと男優バルデンが、ハチャメチャなアーティスト夫婦を演じている。彼らはビガス・ルナ(Bigas Luna)監督の“Jamon Jamon”にも出演しているが、そのストーリーを意識してか男女関係が入り乱れた所がよく似ていた。
まあ内容はともかく、去年の夏に撮影ロケをバルセロナの街を使って大々的に行われていたので、アメリカ人のウディ・アレンが今のバルセロナの街をどの様に撮るのかが最大の興味であった。
まず、最初はミロの壁画タイルのあるバルセロナ空港から始まり、ガウディのサグラダ・ファミリア、カサ・ミラのガウディ、カテドラル近くのゴシック地区のネリ広場にあるカフェテリア、モデルニスモ建築プッチ・カダファルクのクアトロ・ガッツで夕食、ドメニク・イ・モンタネールのサン・パウ病院を使ってのカタラン文化のマスターコース、ティビダボの遊園地からのバルセロナの街の眺め、グエル公園、シウダデリャ公園の噴水、カタルーニャ美術館、バルセロナ近代美術館の前の広場、ランブラス通り、チノ地区の娼婦通りとアヴィニョン通りなどなど夏のバルセロナの活気溢れる街の盛りだくさん出てきて、現在のバルセロナの街の魅力を十分に伝える映画になっていると思う。
でも、やはり、イタリア映画界の巨匠アントニオーニの「さすらいの二人」に出てきた甘く哀愁を帯びたバルセロナの街の魅力にはかなわない。
それも時代なのであろうか?
それとも・・・