バルセロナ建築漫遊記

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| u1arc | 作庭 | 16:10 | comments(0) | trackbacks(0) | -
バルセロナ自治大学『心(co-cor)の庭』
先週、バルセロナ自治大学の通訳・翻訳学部の学部長から「日本庭園の松の木が倒れたのですぐ見に来て欲しい。」との連絡があり、強風の被害が自分の作品にも及んだと思い直ぐに現場に駆けつけた。

ちょうど10年前、バルセロナ自治大学の通訳・翻訳学部の10X30mの中庭に和風庭園のデザインを任された。

この庭園のコンセプトは『西洋と東洋の出会いと融合』であった。このコンセプトを日本の伝統的な作庭手法『神仙蓬莱式』で表現できないかと考え、心字池と鶴亀庭園の手法を自分なりにスペイン、バルセロナの地でインタープレット(翻訳)した結果、このような日本庭園が誕生した。この作品は、2004年「新建築」5月号STAND POINTにも紹介している。



手前は亀島、はるか彼方に見える三尊仏の住む蓬莱山(ユートピア)を目指して進んでいる姿を表現した。

この庭を『心(co-cor)の庭』と名付けた。
『cor』はカタラン語で心の意味で、『co』を付けると繋ぐことになり、「東西の心を一緒に繋いで行こうという」通訳・翻訳本来の意味を込めたものだ。

東西の心の大河を白砂で表現した。

西側には四分の一円の幾何学的な大河で西洋の思想を表し、空を飛ぶ鶴島をシンボライズし、また、東側の大河は自在画曲線で東洋の思想を表し、大河に浮かぶ亀島をシンボライズしている。
鶴と亀が中央にある築山の蓬莱山(ユートピア)を目指し、進んでいく姿をデザインしたものだ。(しかし、現実にはなかなか行き着けないが大志を持って進んでいこうということを意味している。)

そのイメージ模型を粘土で作り、真上から写真を撮ったもの。








扇形状の鶴島には、頭と両翼の石を見立てて据え、松を植えた。(この松が大きくなりすぎ倒れてしまった。)玉石が線状に並べてあるのは高速で飛んでいる飛跡を表現したもの。

この日本庭園はバルセロナ自治大学の名物となり、外国からの来客がある時には必ず案内することになっていると、学部長からのありがたい言葉があった。

いままでにスペイン人の学生のための『日本の建築と庭園空間』の特別講義をここで行ってきている。
(この作庭が私のデザインによるものであるというプレートも貼ってあるので少し誇らしい気分ではある。)

10年経ち、当初に比べかなり荒れてきているので、これを機にさらにバージョンアップした日本庭園になることを願う。






| u1arc | 作庭 | 18:57 | comments(0) | - | -
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