バルセロナ建築漫遊記

バルセロナからの気ままな発信です。
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コルビュジェ再考   −メートル法は天体時代の始まり−
今日、日本では最大の天体ショー『日食』が観測された。古代から皆既日食ほど人々の心理に与える天体現象はないであろう。フランス革命前夜の1787年には、パリで2回の日食が観測されている。

上野の西洋美術館をきっかけにしてコルビュジェの『モデュロール(黄金尺)』を再読する。

     



学生時代、神田の古本屋で見つけたものだ。美術出版社、昭和28年(1953年)発行、翻訳者:吉阪隆正とある。15cmx15cmの正方形の本で不思議な形の本だ。その表紙にはコルビュジェが書いたモデュロールの絵がある。

その第一部、『研究への雰囲気 環境 事情と端緒』に、「フランス革命は尺寸とのろい計算法を脱ぎ捨てた。」とある。

それで改めて『メートル法』を調べてみる。すると、18世紀末のフランス革命後の1791年べロール国民議会議員の提案で、地球の北極点から赤道までの距離の1000万分の1としてメートルが定義され、長さの単位[メートル]が決定され、これにより地球の円周が4万キロメートルになるように定義されたとある。尺寸法が人体の部位、例えば指、腕、足の長さを基準とした寸法単位に対して、メートルは地球の大きさから割り出された抽象的な数学的概念である。人間の単位を超えてしまった天文学的な寸法単位なのである。
それで、実際にフランスのベルギーとの国境に近いフランスの港町ダンケルクからバルセロナまでの距離を三角測量で測って決めたらしい。バルセロナがメートル法の基点になっていたのだ!

両方の都市の経度、緯度を調べてみる。
ダンケルク 東経2°36分  北緯 51°04分
(パリ)  東経2°21分  北緯 48°51分
バルセロナ 東経2°13分  北緯 41°22分
と出た。
ダンケルク=パリ=バルセロナは東経2°上の経線上、子午線上にあることが分かった。ダンケルク−バルセロナの緯度の差は10°であるから、10,000,000メートル10°/90°で1,111,111.…mで1,111.…kmとなる。 不思議なことに1がズーと続く。現在の子午線の基点は1884年万国子午線会議により、ロンドンの「旧王立グリニッジ天文台」を基点に定めたとあるので、当時の子午線の基点は、パリ天文台の軸線上にあったものと考えられる。この軸線は、ダビンチコードで有名になったローズラインで、ルーブル美術館のガラスのピラミッドの頂点と通っているのも偶然の一致なのであろうか?

また、現在フランス最北端の都市であるダンケルクは、1520年にカルロス1世、兼神聖ローマ皇帝カール5世 がフランドル伯を継承し、ルネッサンス期はスペインが統治していた所である。

ダンケルク−パリ−バルセロナ−ローズライン、思わぬところから軌跡=規準線が引けた。

フランス革命以降、世界は人間中心から地球、天体へと意識は広がって行く。当時はパリの建築家ブーレーの「ニュートン記念堂」(1784年)



やルドゥーの地球を中心に惑星群を描きだした「ショーの町の墓地案」(1804年)



など天体を意識した不思議で幻想的なプロジェクトが発表された時期で、『天文科学の為の建築』を創ることが求められたように思われる。

その過程で今当たり前に使っている十進法の計算、メートル法が実はフランス革命により決められたというのは、このコルビュジェの『モデュロール』を昨日再読するまでは気が付かなかったのである。

やはり、コルビュジェは偉大な近代建築家であることを再認識させられる。
この巨匠の元で学んだ前川国男、坂倉準三、吉阪隆正は日本を代表する建築家となり、近代日本建築、いわゆる『日本モダニスム建築』により、日本において建築を建築芸術にまで高めようと努力した功労者たちである。

よって、コルビュジェによる上野の西洋美術館は十分にユネスコの世界文化遺産に登録されるに値するものであると私は考える。



# やはり推論通り、最初の子午線は1634年パリの天文台が出来た時に決められたようで、現在の天文台内にはそれを記念した子午線が引かれているようである。それをデザインしたのがコルビュジェの協働者であったジャン・プルーヴェにより1948〜1951年のデザインによるものだ。
調べてみると日本でもプルーヴェの展覧会が5年前に行われていた。、パリのポンピドーセンターで、フォスター,ロジャース、ピアノを当選案として選んだ審査委員長で、現在のスター建築家たちに絶大なる影響を及ぼした『職人』建築家であることが分かった。

すべてパリの子午線(ローズライン、ロスリン)がコルビュジェを基点にして現在の建築に繋がっている!

新たなダヴィンチ・コードが発見できた。
| u1arc | コルビュジェ | 17:56 | comments(0) | trackbacks(0) | -









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