バルセロナ建築漫遊記

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近代建築が音楽になった−コルビュジェの最高傑作ロンシャン教会−
    

この写真は2002年、夏、バルセロナからずーと北上し、フランスの世界文化遺産で呪われた建築家の異名を持つルドゥー・ショウの製塩工場を見た次の日、アムステルダムへ行く途中に寄ったコルビュジェの最高傑作ロンシャン教会である。(De Ledoux a Le Corbusier)

建築学生時代に初めて見た時は、写真で見るよりもあまりにもこじんまりしていていたので、期待外れでがっかりした記憶があったが、この時は学生時代の時とは違う感動を得ることができた。

それは、この山の上にどのようにしてこのような自由曲線のフォルムの鉄筋コンクリート造の建築を創ることが出来たのだろうかという驚きであった。自分だったら創れるだろうかという自問がまずあるのである。それは評論家の目ではない、建てる側、建築家としての目である。
その想像、理解を超えてしまうと、巨匠だ、天才だ、鬼才だという評価になるのであるが、この建築は今でもそのレベルにある。

やはりコルビュジェは巨匠だ。 天才建築家だ。
と。

コルビュジェ中期までの作品、少しの規準線で構成された幾何学的で白く塗られたインターナショナルスタイルであったら、日本の建築家も『コルを掴む』ことができたのであるが、ここまでくるともうお手上げである。
『コルビュジェらしくない』と言って呆然とし理解不能の状態となり、そして新たに日本建築の伝統美によりどころを求めるようになったように思われる。

私はロンシャン教会のようにここまで芸術の域に達している近代建築作品は今までお目にかかったことがない。ゲーテは『建築とは凍れる音楽』と言ったが、この教会は正しく音楽となっており、ポ−ル・ヴァレリーの『エウパリノスまたは建築家』(1923年 森田慶一訳)で言う『歌う建築』ではないだろうか。

ピューリズムに始まったコルビュジェの近代建築が、時を重ねるごとに熟成し、ロンシャン教会のような有機的フォルムの音響的な近代建築を生み出すに至ったのである。その時に音階の役割をしているのが、コルビュジェが発明した建築音階『モデュロール』で、現代音楽生みの親の音楽家でギリシア出身の建築家、クセナキスと共にこの音響的建築をそれぞれの感性で作曲して行ったと思われる。
















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