バルセロナ建築漫遊記

バルセロナからの気ままな発信です。
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建築書の元祖『ウィトルウィウスの建築十書』
先日、バルセロナのカテドラル広場にあるカタルーニャ建築家協会に用があって行って来た。
『本家本元、カタルーニャ州庁舎内サンジョルディ礼拝堂』のブログでも紹介したが、ピカソが建築家協会の建物の為にバルセロナの様子を描いた壁画絵のある建物である。
行ったついでに、久しぶりに協会の図書館を覗いた。せっかくだから普段では見れない本を見たい!衝動に駆られ、司書の人に「ウィトルウィウスの建築書のオリジナルを見せてください。」と言ってみる。
昨年の夏、会報でこの本を買ったという記事が出ていたのを急遽思い出したのだ。日本人だし、初めて見る顔出し、散々訝しがられ、最後に、会員証が必要ですと言われ、入念なチェックをされた。
他の司書が、上の金庫に保管しているからと言って戻ってくると、大事そうに包装紙に包まれ、白い手袋付で「これです。」と差し出してくれる。「コピーはできません。手袋を嵌めて丁寧に扱ってください。」「はい、分かりました。」そして恐る恐る「ケータイで写真とっていいですか?」と聞くと、「いいですよ。」との返事で、少し興奮気味に白い手袋を嵌め、この古い本を開いた。ルネッサンスの時に出された印刷本のオリジナルであるから500年は経っているはずである。

本をめくったときのタイトルの写真がこれです!



人類史上最古の建築書である。本自体は、ローマ時代、紀元前25年頃にマルコ・ウィトルウィウスによって書かれたもので、その後、教会に伝わり、8世紀に最古の写本の存在が確認され、ルネッサンスの15世紀になり、建築家、法学者、美学者である『万能人』アルベルティに見出され研究され、彼の建築書『De re aedificatoria』と同時期1486年にローマで初めての印刷本として出版されている。
この本を調べてみると、最後のベージに1511年のラテン数字MDXIが確認できた。絵入り初版がこの年にFra Giocondoにより出版され広く流布したとあるので、この本に間違いない。ラテン語と中にはギリシャ語の記述が混じっている。ギリシア語の部分を後の人がラテン語に余白に翻訳した書き込みがある。この時、グーテンベルグの印刷機の発明が、中世の神中心の時代から人中心への時代へと正しく天動から地動へとコペルニクス的転回をし、大変革を遂げ、イタリアのローマ、フィレンツェの都市にルネッサンス文化が花開いたのである。最初の『複製技術の時代』がここから始まったといえるだろう。とすると、今のIT『コピペの時代』は『複製技術の時代』の最進化形であり、ケータイで撮った500年前の本が、このようにして簡単にインターネットで見れてしまう。ルネッサンス期以来、産業革命以上に人類にとっての大変革期の時代ということになる。
我々はすごい時代に生きているのだ。神から人、人から次は?物質?モノ...それってもしかして、人からモノが支配する時代へということ?



これはダ・ヴィンチ・コードで有名になった『ウィトルウィウス的人体図』で、レオナルド・ダ・ヴィンチにより、1492年に描かれたものだ。レオナルドはウィトルウィウスを研究したアルベルティの建築書から円と正方形に描かれた人体図を引用していると言われている。『美しい人体のプロポ−ションは幾何学と一致する。』と。この年は偶然にもコロンブスが新大陸を発見し、またイザベル、フェルナンドカトリック両王がグラナダのアルハンブラを征服し、ヨーロッパからアラブ勢力をレコンキスタした記念の年に当たる。

この『ウィトルウィウス建築書』人体図のオリジナル。
円に描かれたもの。



正方形に描かれたもの。



これによるとレオナルドのものは、円と正方形を合体させ、ダブらして描いてあることが分かる。しかも、正方形に描かれた人体の足は閉じらてれいて、左足は直角に開いている。
正方形は人間の住む地上界を、円は永遠神の住む天上界をシンボライズしたものであるから、レオナルドは、これからの人間中心の世界では、天と地の合体は美しいプロボーションでのみ可能であることを言わんとしたのであろうか?
これって、もしかして新たなダ・ヴィンチ・コード...
| u1arc | 建築史 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | -









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