バルセロナ建築漫遊記

バルセロナからの気ままな発信です。
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グランカスカダを彫刻!


前回の滝落とし試験
では、その迫力に圧倒された。



2002年の第一期工事期にスタディした『向い落』の滝落ち。岩盤の状態がよくないので上の部分にL字にコンクリート基礎を打ち、その上に現在の古い大石を組み、せせらぎとする。大幅な工事変更を余儀なくされる。

今度は冷静に写真を検討し、『美しい滝の落ち方』をさらにスタディする。最初デザインした『向い落』のイメージに近づけるためには、左の主滝の3段あるはずの落ち方が真っ直ぐ過ぎて、2段目の溜めがもっと必要なことが分かった。
そのようにする為にはどこをどの様にしたらよいかを、水になりきり、その岩壁面を落ちていくシミュレーションを、自分の頭の中で繰り返していくうちに、これで何とか行けそうという感覚が掴めた。

これは大岩壁を彫り込んで美しい滝を彫刻する作業に等しく、『グランカスカダを彫刻するのだ!』という建築家というよりは体を張った彫刻家の心意気である。

また岩壁面に足場を組み、命綱で体を吊るし、削岩機で滝の道を彫り込む命がけ作業となった。(現場職人との共同作業である。)



この岩壁は硬い岩と赤土の混じる脆い層が織りなす複雑な地層をしていているので、それを読み込みながら少しずつ彫り込りこんで行くという難しいものであった。しかし、少し掘り込んで行くと下から固い岩盤が現れ、イメージ通りの滝の道が彫り込めるという感触が掴めた。それでも格闘すること2日、ようやくこれで何とか行けそうだという確信を持て、足場を外し、2度目の滝落とし試験となった。






大成功!!!

イメージ通りどこから眺めても美しい『向い落』の滝姿となった。
クライアント夫人、現場の人たちに”Felicidades!"と祝福を受ける。建設に参加した全ての人たちと一体となれる素晴らしい瞬間である。この充実感があるので『建築』は全身全霊を賭けるに値するということを思い出させてくれる。

この龍門曝の滝落ちの落下点の場所に、先日、鯉魚石に見立てた高さ2メートル近く、重さ2トンを超えるであろう古い御影石の大石を設置する。それと植栽で滝全体の形を整え完成するが、最後まで手が抜けない。

この自然を相手にした滝落彫刻は、8年間の思いがこもっている精神と肉体をかけた力技であった。そのおかげで週末の休みの日にはその心地よい疲労でほとんど一日中ベッドの中であった。

この年となるとリハビリも必要になってくるのである。
| u1arc | グランカスカダ | 10:43 | comments(0) | trackbacks(0) | -









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