バルセロナ建築漫遊記

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グランカスカダ 30 完成前夜
スペインもこのところの世界的な株価の大暴落で、今まで好景気が続きて来た建設業は大打撃を受け、特に建設労働者の解雇は社会問題化してきている。

グランカスカダの現場も例外ではない。コロンビア人、モロッコ人など10名ほどいた多国籍の職人も9月末でいなくなった。
その影響で植栽作業は少し遅れ、昨日シッチェスの現場へ行ってきた。造園業者の責任者はおじいさんの葬式で急遽来れなくなり、スペイン語を少ししか話せない2人の初めてのモロッコ人の作業員とのちょっと不安な協働作業となった。




グランカスカダの面に植え込むために、2ヶ月前に造園屋の植栽園から選んできたものである。選んだ植木は、夏の高温、乾燥にも強い物の中からを選んだので、種類は限られていた。その中でも、少し日本庭園を意識して、盆栽のような松とモミジを選んだ。モミジは、塩分が多いシッチェスの水には合わないと言われたが、専用の濾過装置を付けることで解決する。

どの植物を選んだが思い出すのに時間がかかったが、それぞれ写真に収め、グランカスカダ空間のどの場所にどの植木を植えるかはプリントアウトしておいた。そのイメージトレーニングのおかげで、すぐに全体像が掴めてきて、持ってきた植木を見定めて、その場でモロッコ人の作業員相手に指示を出すという出たとこ勝負の植え込みとなった。

とりあえず、持ってきたものの重要な木から場所を決め置いていってもらう。松とモミジがこのグランカスカダの最初からのポイントだったので、そこから始める。何とか最初の模型どおりの場所に植えることが出来そうだ。見え方も上のテラスからと下のホ−ルからの眺めでは違うので、両方の眺めを確認しながらスペイン語で慎重に何度も変更指示を出す。長い時間かかったが松の位置が決まると、多少苦労するがコミュニケーションが取れることが分かり、思った以上に仕事がはかどっていく。モロッコの作業員も最後まで丁寧にやってくれて、2日かかると思った仕事が一日で終わった。
想いは言語以上の言葉である。



手前は盆栽風の小さな松。しっかり岩に根を張ってグランカスカダのシンボルになってくれることを期待。足りない植木を再注文し来週には何とか完成しそうである。
これらの植栽が根付いて滝面を覆ってくれると、だんだんと自然に近い姿になって行ってくれるのだろう。後2年ぐらいしたら落ち着いてきて、さらに素晴らしい景観になると思うと楽しみである。

滝筋の真下に見えるのが鯉魚石。自然石なのに本当に鯉の顔に見えてくるから不思議である。
この松を目印に、龍になって天に向って昇って行ってくれることを願うばかりである。



クライアント夫人は、納得いくものを造りたいという強い想いと、このスローな自邸建設は日常化しているので、8年間の時間の経過は大して問題ではないようである。



もうすぐカーサ2からこのカーサ1のグランカスカダに住めるとたいへんご満悦であった。



大変難しいことであるが、夢は持ち続けていないと実現化しない。
夢をレアル(REAL)化するためには、クライアントも建築家も、とにかく最後まで諦めない強力なパワーを持続することであることを実感する。

真の夢を実現化して行くのがARQUITECTOの本来の役目であると思う。








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