バルセロナ建築漫遊記

バルセロナからの気ままな発信です。
2008年のクリスマスカード  街のクリスマスを迎える準備 (1)


2008年のクリスマスもあと二日後となった。

私の住むサンクガットの街もクリスマスを迎える準備が整ったところだ。
郵便局へ行った後、昼休みの時間帯にサンタマリア商店街をぶらつく。写真を撮っていたら偶然にも、お友達からクリスマス飾りをもらいこれから薬局の仕事へ行くというKasumiちゃんに遭遇。この時間、この場所で日本人に会うことは珍しい。







人通りはまばらだが、通りにはモミの木のクリスマスツリー、ウィンドウにはクリスマスの飾りつけがかわいらしくされている。教会の前のオクタビア広場に出る。子供用の風船でできたアトラクションの用意がされている。



アトラクションの遊具はまだ空気が入っていないのでプラスティクの塊の状態。糸杉には光ダイオードの照明レースが架けられている。



正面ファサードの、15世紀スペインゴシック期に造られた立派なバラ窓と入口部分のアーキボールト。荒めのトラバーティン大理石でできていて、貝殻の化石が入っている。



サンクガットの街にはこのように表面が酸化した鉄仕上げでデザインされ、上からカタラン語、点字、スペイン語、英語で文字が彫られた案内板がある。スペイン語が外国語扱いで点字の下にきているのが同じスペインでもいかにもここはカタルーニャという感じ。



11世紀ロマネスクの鐘楼、シンボリオ、アプシス。鐘楼脇の壁には、倒壊防止の為にケーブルを入れ、ポストテンションで締め上げ補強してある。



十字に組まれた鉄骨の上に中世風の石彫の十字架が載っている。この辺のデザインを見るとサンクガットの教会を改修した建築家は、カルロ・スカルパが改修したカステルベッキオ美術館をだいぶ参考にしていることが解る。



街の緑と環境を重視した都市計画により新しく作られた斜路。この下は3階建ての公共パーキングになっている。この斜路には自転車専用道路もあり、バルセロナの街の背後に広がるティビダボ山の風景を見ながら安全に犬の散歩を楽しめる。



新市庁舎前の広場に来ると植え込みに変な木を発見。
クリスマス用の電飾が木に絡めてあるのかと思いきや、本物の『電木』であった。また、INOXでできたコジャレた長ベンチがある。裏がピンク色に塗られていて、パンチングされた模様がある。中には照明が入っているので夜どの様になるのか楽しみなので今夜また来ることにする。





市庁舎横がカタルーニャハイキング協会の建物。建物の壁面にロッククライミング練習用のハングオーバーした赤い壁面が聳え立っている。



30分ぐらいの散歩であったが、この3年間でサンクガットの街は『緑の街づくり』の新田園都市構想に基づき古いものを残しながらモダンな街に生まれ変わった。

今イギリスから帰ってきて建築を学んでいる息子は、学校の帰り道、川沿のよく遊んだ公園がなくなり、このようなきれいな市役所広場になって当時の面影がなくなり悲しいと言う。

街には人それぞれの想いがあるから、彼にはどんな良い都市計画をしたとしても、新しいものを作れば何かが犠牲になっていることが分かる都市計画家であってほしいと思う。


これが、暗くなってから撮った写真。





| u1arc | サンクガットの街 | 16:55 | comments(0) | - | -
今年初めてのキノコの収穫
この週末の3連休、3匹の愛犬ダルメシアンを連れ森深くに入る。

もちろんお目当てはキノコ。今年は雨が少なくキノコの気配すら感じなかったが、一週間ほど前に雨が降ったのでもしかして、あのキノコだったらあの場所に生えているかもしれないという長年培った感で行って見ることにした。

予感的中!山道から下の方を見てみるとモコモコッとした白い光の群れが木立の間から見えた。もしかしてと急勾配の斜面を降りていくと、あたり一面キノコの山。お犬たちも大喜び、ランとマツは森の中を駆け回る。踏み荒らされる前に取らねばと、撮影も忘れ取りまくる。

レジ袋2袋分あり帰り道は重かったが、幸せの重みであった。



このキノコは、こちらではパンパス(PANPAS)と呼んでいるが、日本では平茸に近いのだろうか。昨晩このキノコをマリネと天ぷらにして食べたが、天然の香り高く極上物であった。

サンクガットの森の秋の恵みに感謝。



赤い実は、今が盛りのヤマモモの実。スペイン語ではマドローニョ(madron~o)といわれ、真っ赤に熟したものを森で摘んで食べると美味い。



山で実のなっているところ。



サンクガットの教会。ロマネスクの宝。正面に入口は15世紀ゴシック様式に改修されている。



石壁に這うツタが紅葉していて美しい。
ロマネスクの王立の修道院だったところで、現在、中世修道院博物館として改修された。この中の回廊は見事。

この修道院を改修した建築家は、右側のカリサ(caliza, ライムストーン、石灰岩)のオリジナルの石積みは荒く磨いて仕上げツタを這わせずにそのまま見せて、新しくカリサを貼った新築の所はさり気なく少し隠すようにツタを這わすという心憎い演出をしている。
| u1arc | サンクガットの街 | 20:27 | comments(0) | - | -
ミロのタビストリーが生れたサンクガットの工房
前回ミロの巨大タピストリーは私の住むサンクガットの工房で生れたと書いた。

この写真は工房のファサードにスタッコで彫り込まれた織をしている女性の図柄。




今はその工房は市のタピストリー博物館として改築されロヨを始め、グラウ・ガリーガ(Grau・Garriga)などの有名な近代タピストリー作家の作品が展示してある。元は、1926年にフランスのゴブラン織りの工房(Casa Aymat) として始まり、カタランタピストリー学校として1981年までやっていたらしい。やはり、こういった伝統的な織のベースがあったからこそ、著名な近代タピストリー作家が輩出したのがうなづける。そして、近代芸術の巨匠ミロとのタピストリーでのコラボも自然にここで生まれたのだと思う。



ここはサンクガット駅から歩いて3分の所にあるが、ゴルフ場の横の閑静な住宅街にある。

駅前広場は3年前に整備されたが、上にあった道路はトンネルで通し、地下駐車場を造りモダンな広場に生まれ変わった。駅舎も1920年代に造られた駅をそのまま残し、左横にモダンな駅舎を並べて造っている。駅前にあったフランス風の洋館はサンドイッチレストランに改築され、駅広全体がオープンカフェになってオシャレな雰囲気を醸し出している。
まず第一に古い建物をその街のモニュメントとして残しながら、街を活性化させるのが街づくりを行うのがヨーロッパのあり方である。

郊外型のショッピングモールもあるが、やはりこれからは人間的スケールの散歩が楽しい街づくりが一番大事な事でないかと思う。





この電車を利用し、バルセロナの中心にも朝の通勤・通学時間帯には3〜5分間隔で30分足らずで行けるので、住民は車でバルセロナに行くことが減り、エコにも良い街づくりをしていると思う。
| u1arc | サンクガットの街 | 06:26 | comments(0) | trackbacks(0) | -
秋の爽やかな日にサン クガットからモンセラットを望む
今日は秋の爽やかな日曜日である。

朝、いつものように愛犬ダルメシアン3匹を車に乗せ、森への散歩に出かける。
いつも車を止めている所までさしかかると、森のほうからゼッケンを付けたランニング姿の人たちがどんどんと走ってくる。どうも、サン グガット市主催のクロスカントリーマラソンらしい。
なるべくそのコースを外して、あまり人の入らないコースを選び、森を散歩することにする。それでも、マウンンテンバイクに乗ったグループと出会う。お互い“Bon dia”とカタラン語ですれ違いざまに挨拶を交わす。そしてよく、“Que bonito estos perros!(なんて綺麗な犬だ)”“Falta 98 perros(98匹足りない)”と言って走り去っていく。
週末は、バルセロナの街からもたくさんのマウンテンバイカー達がこの森に入ってくるのである。

モンセラットの眺めの良いポイントに来る。そこからの眺め。手前がサン クガットの街。「緑の街」として、市を挙げて新しい田園都市構想を推し進め、バルセロナの郊外の街として人気がある。




マツとランも2匹仲良く立っている。



山を降りていくと、整地中の広場に出る。ランとマツのドックラン! 2匹でつるんで元気良く走り回っている。それにしても、家からこの近さで、愛犬ダルメシアン犬たちとって恵まれた環境が残っているのは有難い。


| u1arc | サンクガットの街 | 19:50 | comments(0) | trackbacks(0) | -
夏至の太陽はモンセラに沈む
今日は夏至。この3日前から夏の到来を思わせるスカッとした青空が広がっている。ようやくバルセロナらしい天気になってきた。その前の2ヶ月程、日本の梅雨のようなジメジメとした天気であった。5月の中旬のダムの貯水量が20%を切り給水制限が行われていたが、この雨のおかげで80%まで回復しバルセロナ市民はホッとしている。

私の住むバルセロナ近郊の街サンクガットは、ローマ時代からあったようで、その城壁の遺跡も教会の付近から発見されている。その上に10世紀のカタルーニャでは早い時期にロマネスク寺院が建てられ、その後、王立の修道院として立派なクラウストロ(回廊)のある発展拡張して現在の教会がある。

古代ローマ人は数多くの植民地を造り、都市造りが得意であったが、どのようにして都市の場所を決めていったのであろうか?
ギリシャ人がアクロポリスに神殿を築いた様に、街の中心となる小高い丘、『聖なる場所』をまず最初に決めたのだろう。陰陽五行説、今で言う風水思想のように地形、太陽の位置関係などの自然条件が場所決定の重要な要因ではないかと思っていたが、昨日、丁度カタルーニャの霊峰モンセラット山に沈んでいく夕日を見て、その仮説を実証できた。やはり夏至の太陽が沈む位置とこの街の誕生には相関関係があったのだ。



その日の入りを見届けたのが、街の南に広がるコイセロ−ラ山系の森で、フォスターのテレコムタワーを望む。ティビダボ山の向こう側にはバルセロナの街が広がっている。9時頃、いつものように3匹の愛犬ダルメシアンを連れて行った。眺望のきく尾根道に来ると、真下には教会を中心にサンクガットの街、その向こうサン・ジョレンス・デ・ムント山頂には、同時期、10世紀に造られたこのロマネスク寺院の奥の院が乳首のようなシルエットになって見える。9時20分、左前方に見えるモンセラット山に夏至の夕日が入り始め、9時30分には日の入りとなり、モンセラット山の黒いシルエットが赤い夕焼けを背景にして浮かび上がった。感動的な瞬間であった。『聖なる空間』を演出するには太陽の存在は絶対不可欠であることを実感した。その直後、尾根を下り始めた時、ランとマツの姿は森に消え、待つこと5分。ランは何かをくわえ戻ってくる。ウサギかと思いきや、背中に黒い筋の入ったイノシシの子、『ウリンボウ』であった。



これは神様への捧げ物であったのであろうか。
| u1arc | サンクガットの街 | 18:01 | comments(0) | trackbacks(0) | -
動物の守護神、サン・アントニオの行進










今日は動物の守護神、サン・アントニオの行進がわが街サン・クガットで盛大に行われた。6月13日の聖アントニオはアッシジのフランチェスコの弟子のパドヴァのアントニオと呼ばれ、このアントニオとは異なる。3世紀中頃にエジプトの裕福な家に生れたが、財産を妹と貧しい人に分け与え、自分は砂漠の真中で自然と共に祈りの隠遁生活をした。それがいつの間にか動物の守護神として祀り上げられ、スペインでもカタルーニャとバレンシア地方にだけ行われる祭りらしい。ガウディのアントニオはこの聖人のものだという。
本当は17日が聖人の日なのであるが、毎年、次の日曜日に車を遮断し、鼓笛隊、アントニオ聖人の像を載せた馬車を先頭に、たくさんの馬、ロバと共に大行進が行われる。近くにある乗馬クラブのメンバーも乗馬服でバッチリ決めているが、カタルーニャの昔ながらの馬車でワイン樽や野菜を積んだ、いなたく決めたのもあり、動物との仮装行列のようで見ていてとても楽しい気分になる。この後カテドラルまで行進し、市民はペットの犬や猫を連れミサに参加し、聖人アントニオに祝福してもらうことになっている。
写真は、テラスから撮影したもの。愛犬、マツも手摺から頭を出して聖者の行進を見守る。
| u1arc | サンクガットの街 | 20:34 | comments(0) | trackbacks(0) | -
東方の王様たちがやってきた!




今日1月6日はレジェス・マゴス(Reyes Magos de oriente).
東方から三賢王がキリストの誕生を知り、お祝いを持って祝福に来たという伝説からこの日にパレードが行われる。写真は、昨夜わが街サンクガットにも王様たちが来た時を、テラスから写真に収めた時の様子。最初にトラクターで引いた荷台にジャズバンドを乗せ『聖者の行進』を演奏しながらこれから王様たちがやって来るよとのお知らせ。それから天使姿の子どもたちを乗せた車から、飴を雨あられとばら撒き、それをワーと市民が拾う。その熱狂の中、長老格で白髭のガスパール、青年王のメルキオール、黒人王のバルタサールを乗せたパレードカーが通り過ぎて行く。子どもたちはこの日、レジェスを待ち望んでいる。良い子には、願いがかないプレゼントがこの王様たちから届くという言い伝えが今でも信じられているからである。信じている子には、翌朝クリスマスツリーの下に届けられていることが多い。うちの子も大きくなってきて、この言い伝えを疑い始め聞いてきたことがあったが、「信じる子にはプレゼントがもらえるし、信じない子はもらえない」と言ったら、それ以降、何の疑いも持たずに、もらうのを楽しみにしていたのを思い出す。
その彼も大きくなり、クリスマス休暇も終わった今日、イギリスへと帰って行った。
| u1arc | サンクガットの街 | 23:29 | comments(0) | trackbacks(0) | -
FELIZ NAVIDAD ! フェリス ナヴィダ !メリー クリスマス!



スペインのクリスマス、NAVIDADは、25日のキリスト誕生に始まり、年が明けて5日の東方の三賢人たちが宝物を持ってお祝いに駆けつけた日、Reyes magosまで続く。
今がクリスマス・バケーションの真っ只中という感じで、私の住むバルセロナ近郊の街サンクガットも写真のようにイルミネーションが美しい。
写真2は、市庁舎前の広場。キリストの誕生シーンを人形で再現したもので、その誕生した場所からベレン(ベツレヘム)と呼ばれる。この風習は特にカタルーニャ地方でよく行われ、それぞれの家でもミニチュアのものでジオラマ風に飾り付ける。どういうわけかキリスト誕生の場所は、馬小屋で三賢人が宝物を持ってお祝いに駆けつけ、羊飼いも一緒といつも決まっている。
しかし、四福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)、エヴァンゲリオンによると、キリスト誕生シーンの記述がそれぞれ異なっていることが分かった。誕生シーンを記述したものはマタイとルカで、両方とも馬小屋で生れたとしていない。またマタイでは星の導きで三賢人が探し出したとしているのに対し、ルカは三賢人の存在すらなく天使が羊飼いの所に降り立ち、飼葉桶に寝ているというキリスト誕生のお告げを聞き、駆けつけたとしている。キリスト誕生のシーンに関しては4つともそれぞれ全く異なっているのである。
キリスト誕生シーンを宗教画や劇という形で表現することにより、四福音書のそれぞれの記述を合体し、長い年月を経てそれが次第に市民に支持され今のような姿になったと考えられる。
そして厩戸の皇子、聖徳太子伝説も遥か遠くシルクロードを渡ってきたキリスト伝説の影響を受けているのかもしれないと思えるようになってきた。法隆寺の中門の柱の丸みをギリシア建築のパルテノンのエンタシスの影響と推測した伊東忠太も納得がいくし、5世紀頃仏教渡来と同時期に、シルクロードから西洋の文化が一緒に入ってきたとしても不思議ではない。
| u1arc | サンクガットの街 | 03:49 | comments(0) | trackbacks(0) | -
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